イギリスに住み始めてもう少し長く住んでみようかなと思う人は多いのではと思います。私達家族もイギリスの文化や生活環境が気に入り、既に20年近くイギリスに住んでいます。長く住むつもりになると、気になるのは住む場所で、特に、賃貸にするのか持ち家にするのかが大きな「???」ですね。この記事ではイギリスでの住宅の購入について説明します。
この記事でわかること
- イギリスでの住宅の購入の手順
- イギリスの住宅ローンの種類
- 日本との違い
イギリスの住宅の種類については下記の記事を参考にしてください。
イギリスでの住宅の購入の手順
イギリス生活が長くなってくると、気になりだしてくるのが住む家です。今は賃貸だけど、持ち家の方がいいのかとか悩み始めます。日本でも頻繁に「賃貸派」、「持ち家派」といった特集が昔から組まれています。
例えば、日本で中古住宅となると上物の価値は都心部の人気の区域でもない限り下落します。しかし、イギリスでは上物価格は下落するどころかキチッとメンテナンスをしていれば上昇することが多々あります。
本題に戻りますと、住宅を購入する手順は大まか以下のようになります。
- 住宅広告(ネットが主)不動産屋さんで気になる物件を探す(相場把握)
- 銀行に行き住宅ローンが組めることの証明書を作成してもらいます(支払い能力チェック)
- 不動産屋さんに行き、希望を伝え内覧のアレンジ
- いくつか気になる物件を内覧し、購入したい住宅を決定
- 買いたい希望金額を売主にオファー(不動産屋さんを通して)を出す
- オファーが受け入れられるか拒否されるかが決定
- ソリシター(弁護士)に売買契約の手続きを依頼(必須)
- 頭金を入金(タイミングはオファーが通ると1ヶ月以内)
- 売買契約の完了
- 引っ越し・入居
ほぼ日本と手続きは同じです。
違う点は2番目(証明書)と5番目(オファー)です。
証明書は銀行が書いてくれるレターで「Agreement in Principle」と呼ばれるものであなたがどのくらいのローンが組めるかを第3者の銀行が発行してくれる書類です。不動産屋さんによっては内覧の前にこの書類を提出して欲しいというところもあります。
もしくは不動産屋さんの取引のあるモーゲージ・アドバイザーを紹介されて、どのくらいのローンが組めるか簡単な審査をしてくれます(もちろん無料)。
これらの書類自体は簡易的なもので簡単なチェックの後その場で発行してくれる為、貸主である銀行は後日入念なチェックをします。
オファーも日本ではあまりみられない慣習です。定価価格からいくらか値引きした金額を提示するのが通常です。ただ、市場動向が買い手市場なのか売り手市場なのかによって値引き価格にするか上乗せ価格にするかの判断は違っていきます。その意味では相場把握は重要です。
イギリスの住宅ローンの種類
気になる住宅ローンの種類ですが、少し日本とは違います。日本では基本、固定と変動金利があり、固定の場合は25年や35年を長期のものが一般的です。
イギリスでは固定と変動金利は同じですが、ローン期間が変わってきます。
- 全体のローン期間(ターム)を決めます。例えば、25年とすると25年でローン完済をする予定ということです
- その次に借入金利を決めます(固定か変動)。
- 固定で借入金利を決める時、その金利で何年固定するかを決めます。
- 固定期間は通常2・3・5・10年で日本のような25年・35年というのはあまりありません(探せばありますが)。。。
- 例えば、5年固定にすると5年後にその時の金利状況でまた固定・変動と期間を決め、新しいローンを組みます。タームは当初25年としていれば、残りは20年になっています。
つまり、タームを25年として毎回5年固定で払うとすると、5年固定を5回(5年ごと)に組むことになります。
日本と比べると金利が下落すると5年毎の見直しは助かりますが、上昇していくと困ったものです。
イギリスの住宅市場の特異な点
前述しましたが、イギリスに住んで驚いたのは住宅市場です。特に中古住宅市場が安定している点で、住宅価格が中古だからという理由では下落しないという事実です。
まとめ
住宅の購入は人生の大きな決断です。賃貸か持ち家かという議論はありますが、賃貸料と同じくらいの住宅ローンであれば生活に支障なくローンを組むことも可能です。そうすることで、住んでいる家が自分たちの資産になっていきます。
私達の場合は、始めは賃貸だったのですが、イギリスの中古住宅市場の特長を考えて、長い視点から考えて、購入することにしました。住宅ローンの期間中は金利が変化するので、金利の上昇時のことも考慮して毎月の返済額を設定する必要がありますが、ローン完済後には住宅が自分達の資産になります。 この記事が「持ち家派」を考えている人に何かの参考になればと思います。