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イギリスの住宅で築100年は若造?【かめらく】

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イギリスの街並みは整っていて美しいですね。都心や住宅街は電線がないため(ほぼ地下埋め込み方式)、街並みがスッキリしています。1930年頃から積極的に取り入れられたグリーンベルト政策などで緑が多いこともあり、ノスタルジックな街並みが多いのも魅力です。この記事ではそんなイギリスの住宅事情について紹介します。

この記事でわかること

  • イギリスの住宅の種類
  • 築年数のイギリスの一般常識
  • イギリスの改築事情
目次

住宅の種類

イギリスの住宅の種類は次の3つに大方分類されます。

  • 一戸建て(ディタッチ)
  • テラス住宅(テラスまたはセミディタッチ)
  • フラット
    • コンバージョン
    • パーパスビルド

一戸建て(ディタッチ)は日本で言うところの戸建て住宅と同じで、建売住宅と注文住宅があります。

テラス住宅(テラスまたはセミディタッチ)はあまり聞きなれないかもしれないですが、戸建ての家が長屋風に数件が繋がったものです(家の壁は隣家の壁)。テラス住宅の中でも2件のみの繋がりのものを特にセミディタッチと呼びます。

フラットは日本での呼称はアパートかマンションです。

  • コンバージョンはその昔、大きな一軒家だったものを階ごとアパートとして区切ったもの。
  • パーパスビルドはその名の通り初めから複数の世帯が住むことを目的として建てられたもの。

とゴチャゴチャとしてきたところで、これが特徴をまとめた表になります。

スクロールできます
イギリス(種類)イギリス(区分)説明日本(区分)
一戸建てディタッチ日本で言うところの戸建て住宅一戸建
テラス住宅テラス戸建ての家が長屋風に数件が繋がったものテラス住宅
セミディタッチ2件繋がりのみのテラス住宅
フラットコンバージョンその昔、大きな一軒家だったものを階ごとアパートとして区切ったものアパート
パーパスビルド初めから複数の世帯が住むことを目的として建てられたものマンション

ディタッチの例

テラスの例

セミディタッチの例

コンバージョンの例

パーパスビルドの例

築年数

冒頭のノスタルジックな街並みが多いということは裏を返せば「古い建物が多い」ということです。日本でも文化的・歴史的に重要とされている地域にある建物は古く「レトロな街並み」とされ観光の人気スポットとなっています。

イギリスは「レトロな建物の宝庫」なのです。

イギリスの家屋の築年数を聞くとビックリします。

イギリスでは築年数がものすごく大事なのです。

築年数と住宅の価値に対する感覚が日本と大きく違います。気候がドライで年中湿度が低いことが住宅の建て替えサイクルにも影響してくるのも理由の一つです。

イギリスでは滅多なことがない限り、古い住宅を更地に戻して新しい住宅を建てるということをしません。

たとえば、私たちが10年以上住んでいるコンバージョンフラットは築160年以上くらいです。築160年以上というと日本では江戸時代末期か明治の始めといった時代になります。とは言っても、私たちの住んでいるフラットが周りと比べて特に古いという訳もないのです。

不動産に賃貸物件を案内してもらうと頻繁に耳にする表現が、

  • 「物件Aは1950年頃だから新米、物件Bは1700年頃だから重厚な造り、物件Cは1800年後半だから比較的新しいね」

という説明があります。日本では重要文化財を除くと築100年以上の現役の家なんてほぼほぼお目にかからないのでビックリ仰天です。

不動産市場にとってイギリスでは建物の築年数が非常に重要なポイントになります。

イギリスでは住宅は長く補修をしながら使い続けるものです。

その為か、色々な地域に「保護地区」が設けられ、建築規制が設定されています。

保護地区」とは建替える時は以前の建物と外観を全く同じにすることが要件となる地域(建物の高さも含めて、時には窓の仕様も)

このルールの秀逸なところは、街並みをいつも古いまま保てところです。外部を変更するのは面倒な為、内装を新しくする場合が主な改修の方法となります。内部変更は外部変更に比べ簡単な上に金銭的な負担が低いためです。

捕捉ですが、イギリスでは一般的に築年数が古い方が建物の造りがしっかりしています。壁が厚かったり、梁が太かったりするからです。しかし、当然ですが、気密性能は新しい程、性能が向上しています。そこで、リノベが注目されるわけです。古い家の躯体を生かて、最新の気密性を追加する方法が大人気となります。その場合の不動産屋さんの決まり文句は、

建物は年代物でしっかりしていて中はモダン(最新)でエコな作りで快適ですよ。

「古きを重んじる」特徴を生かして「新しき」を取り入れることで絶妙なバランスを保っています。

気になる不動産事情

どの国にも不動産価格の上下は経済の動向によって左右されるものです。個人的な意見としてですが、イギリスの(ヨーロッパ一般)特徴として、不動産価格は結構安定しています。つまり、大きく下落しないのです。

日本だと、経済がよっぽど上向きでない限りそれか一等地の物件でない限り、不動産の評価額は徐々に下がっていくもので、特に建物部分は築後は中古物件となりの評価額は下がるのが普通になります。

イギリスでは前述の築年数に対する考えもあり、内装(外装も)をメンテナンスし、時にアップグレードすることで不動産の評価額を維持するどころかアップさせることは普通に行われているのです。

良くあるのが古い家を安く買って、内装をピカイチにリノベすると価格が2倍なんて話はよく聞きます。

イギリスの不動産価格は経済に左右されるものの、不動産価格は自らの努力でアップもダウンも可能なのです。

あくまで個人的な意見ですが、「住宅価格に関しては日本よりイギリスの方が資産価値が安定している」と感じます。

まとめ

この記事ではイギリスの住宅事情に紹介しました。基本的なところですが、知っておくと便利な発見もあれば幸いです。不動産市場の見解はあくまで私たちの経験上の個人的見解ですのでサラッと読み流してください。イギリスの不動産についてはこれから徐々に記事を追加していく予定にしています。

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