ロンドンの地下鉄の話【かめらく】

イギリスにくるといくつかのことが目に留まります。例えば、赤い２階建てのバス、黒い色のブラックキャブ、いかにも古めかしい地下鉄（チューブ）などではないでしょうか。どれもイギリスが誇る伝統あるものです。この記事ではイギリスの地下鉄について紹介します。

イギリスの地下鉄の歴史

イギリスに旅行でくるとほとんどの場合は地下鉄かバスを利用して移動することになります。とりわけ地下鉄は路線数が少なくわかりやすいのでバスに比べると旅行者は使いやすいですね。

イギリスの地下鉄の構内は日本に比べると少し暗く汚れた感じがです。

それに比べ、日本の地下鉄は構内もゆったりしていて清潔感に溢れています。ヨーロッパやアメリカなどの主要都市で地下鉄を利用すると分かるのですが、日本の地下鉄は飛び抜けて綺麗です。（経験ではアジアの国々の地下鉄は綺麗ですね）

イギリスの地下鉄はどうみてもモダンな感じはしません。どちらかというとレトロな雰囲気がいっぱいです。

開業当初はメトロポリタンラインの７つの駅を結んでおり、今でいうところのパディントン駅からファリンドン駅の間を結んでいました。（現在はメトロポリタンラインはパディントンへは行かずベーカーストリートからフィンチェリーロード駅に向かっています）

その後、ロンドンの地下鉄は紆余曲折があるものの拡大を続けることとなります。今では、ロンドンの地下鉄は市民の足をしてなくてはならない存在として活躍しています。

最も新しい路線は２０１５年５月より一部運転を始め２０２２年５月１８日に公式に開業宣言がなされたエリザベスラインです。

ちなみに、２０１６年２月にエリザベス女王によってこの新しい路線の名前とお馴染みの丸い路線のマークが公になりました。皇室関連の名前を冠したラインはビクトリアラインについで２例目です。

イギリスの地下鉄の特徴

ロンドンの地下鉄はチューブ（Tube）と呼ばれます。ニューヨークではサブウェイです。

ロンドンの地下鉄の車両は丸っこい形をしています。それもそのはずで、地下鉄のトンネル自体が丸っこいチューブのような形状なのです。その形状にと同じ形が車両の形になっています。

よく見てみると、トンネルの形に結構ギリギリに近い（？）くらいの車両の大きさです。

ロンドンの地下鉄がチューブと呼ばれのはトンネルの形に由来しています。

開業が１８６３年というのを考えると当時の掘削技術を考えるとなるほどかもしれませんね。１８６３年というと日本は江戸の幕末期なので、当時これだけの掘削技術があったというのもすごいことで、さすが産業革命を起こした国という感じですね。

その影響が古い路線にはエアコンがついていないのです。

なぜかというと、エアコンの室外機を設置するスペースが車両の外天井や側面に取れないからだそうです。トンネルとほぼ同じ断面積の車両なのでそんなスペースはなさそうですね。

トンネルの形状は車両の中の広さにも影響しています。車内の窓付近はかなり狭くなっており、大柄な人は頭が天井に簡単についてしまうほどです。なんとも窮屈な車両設計ですね。

不便な印象を与えるロンドンの地下鉄ですが、そんなことは気にせず（ロンドン市民にとってはこれが当たり前なので）、誰も文句も言わずに普通に毎日の足としてチューブを使っています。

なお、新しい路線ではトンネルの形状は改善されており、車内も四角くなっておりよりスペースがあり快適です。とは言っても、エアコンは装備されておりません。イギリスの気候を考え得ると冷房は必要ないということのようです。地球温暖化には少し優しい仕様になっています！

ちなみに地下鉄利用時は改札でクレジットカード（もしくはデビットカード）をかざせば支払いが自動的にすみ、乗車券を買う必要はありません。参考までにイギリスではカードをタップ（Tap）すると言います。

余談ですが、バスでは乗車券は販売しておらず、支払いはカードもしくはプリペイドのカード（オイスターカード））のみの扱いになっています。

ロンドンの地下鉄に興味がある方へ

鉄道や地下鉄好きの方はぜひともLondon Transport Museumに足を運んでみてください。ロンドンの地下鉄に関する情報はもちろんのこと通常では入れない場所へのツアーもガイド付きで行なっています。

まとめ

ロンドンの地下鉄について紹介しました。イギリスには世界初のものが結構あります。地下鉄もその一つです。次にチューブを利用する時は、その歴史を思い出してみてください。